手を繋いで-Pure love-
「あー、優生おはよ!」

「志帆ずるっ」

「いいでしょ~!門で会ったからさ~!」



「優生ー、お前朝から女の子たぶらかすなよー」



 向こうの方から涼太がニヤニヤしながら言ってくる。



「女大好きなお前には言う権利ないだろ」



 笑いながら涼太に近づく。
 よく見たら涼太の向かい側には同じくクラスメイトの愛美がいた。

 涼太に呆れた顔をしつつ、俺を見てくる。



「涼太も優生も同じようなものだよ。
 優生が少しマシなくらい」



 笑いながら俺と涼太を見比べてる。



「愛美。優生は誰とも付き合わないからな、案外そうでもないぞ」

「そうなの?」

「優生って超可愛いんだよなー、こう見えて。
 一途?....純粋なんだよ、一応」



 苦笑いしか出来ない。



「だからチューもエッチもしないんだね」

「彼女いるって噂は全くたたねーもんな」



 一途で悪いか。



 幼い頃の“約束”をずっと引きずってる俺は
 自分ででも思うけど、めんどくさい。

 相手が覚えているかすら分からない。

 連絡先も、住所も。
 なにも分からないまま、7年。



 “約束”をしたのは7年前の10歳の時。

 親の都合で遠くに行かなければなくなった彼女と幼いながらも、少しませた約束をした。



 それを、俺はまだ忘れずにいる。
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