手を繋いで-Pure love-
 相手の子の名前は永瀬蒼。

 ふっくらとした頬が印象的な、女の子だった。
 お互いにずっと好きでいよう なんて、何とも子どもらしい約束をした。


 “恋人”なんて全然分からなかった子どもの頃だったけど
 子どもなりの恋をしていた。

 約束のことは、家族みんなに笑われた。



 でも、約束を守らないっていう選択肢はなかった。



 馬鹿馬鹿しいけど、俺はずっと彼女を待っている。

 彼女が「まってて」と
 そう言ったから。





 いつ戻ってくるのかも
 どこに戻ってくるのかさえも

 まだ何もわからない。


 …もしかしたら、戻ってこないかもしれない。


 その時はその時だと思ってる。



 だから俺は彼女を信じて待つことにしたんだ。
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