手を繋いで-Pure love-
「俺、志帆と愛美と梨緒菜とカラオケ行くけど優生どうする?」



 帰り際、涼太に声をかけられた。

 梨緒菜もまた、クラスメイト。
 いつも涼太に絡んでる子。



「優生も行こーよ!」

「そうそう、いつものメンバーじゃん?」



 志帆と愛美にも声をかけられる。



「今日暇だし、行くよ」

「きゃー、やった!
 優生パフェ奢ってね~」

「割り勘でBigサイズ頼む方が楽しいだろ」



 志帆が俺のとなりに来た。

 いつもと変わらない笑顔で話しかけてくる。
 親のような気持ちで笑い返す。



「じゃあ一緒に食べよっ」



 俺たちは、行きつけのカラオケに行くために
 駅側の校門から学校を出た。



「優生なに歌うの?」



 たまたま隣に座ってきた愛美が声をかけてきた。



「俺はロックバンドの***歌う」

「好きだねー。
 この間も歌ってたやつでしょ?」

「そう、それ」




「涼太は何歌うのっ」

「俺はラブソング歌うぜ」



 梨緒菜と涼太がにこにこしながら曲を選択している。
 傍から見ればカップルに見える2人。

 付き合っているんじゃないかと学校で噂がたったくらい。


 涼太は軽いからな....。




「梨緒菜、騙されるなよ」



「涼太に?」

「うん。いつか押し倒されるぞ」



 にやにやしながら言うと

 梨緒菜は嬉しそうに



「涼太ならいいかな~」



 と、呟いた。

 当の本人は気づいてなかったけど。
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