愛しい君へ贈る詩





「結衣、あなたはどうするの?またいつもみたいに残るの?」

「はい」

「そう。なら、戸締りよろしくね」

「わかりました」








結衣のその言葉を聞くと、他の部員達は荷物を持って、美術室を次々に出て行き、部屋には結衣ただ一人となってしまった。




他の部員達が出て行くのを見届けた結衣は、ウォークマンを取り出し、イヤホンを耳につけた。
そして、先程途中まで書いていた絵の続きを書き始めたのであった。








結衣は一人になったこの空間で絵を描くのが好きだった。
誰にも邪魔をされず、好きな絵を描き続けられる。
そんな時間が幸せだった。





そんな当たり前だった日常が、着々と崩れようとしていることに、結衣は気付いていなかった。






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