愛しい君へ贈る詩
それは、結衣がスケッチブックから目線を上げた時だった。
何気無く、窓の外を見ていると、走っている人が目についた。
その彼を見た瞬間、結衣は胸が高鳴るような、なんとも言えない気持ちになった。
目が離せないとは、まさにこのことをいうのではないかというくらい、走っている彼のことから目が離せないでいた。
何時もと変わらない風景。
そんな結衣の日常を、一瞬にして彼は変えてしまったのであった。
「………また会える…かな?」
結衣は久しぶりに絵以外のことで胸が高鳴っていた。
そして、その日のことを忘れないようにと、急いでデッサンをした。
それが一目惚れだということに、この時の結衣は気付いていなかったのであった。