あの日失くした星空に、君を映して。


「行くぞ!早く!」


「えっ、わっ!」


工藤くんが両手に私と風香を引っ張って走り出す。


「コラ!!待て!」


門を出てからも追いかけてくる先生は相当怖い。


私1人だったら絶対に立ち止まってしまっていたけれど、追ってくる先生なんてお構いなしにグングンと先に進む工藤くん。


足の遅い私は何度も転びそうになりながらも、力強い手に引かれて学校から離れた所まで走った。


「っ…はあ、はあ」


先生の姿が見えなくなったことを確認して立ち止まる。


若干額に汗を滲ませながらも息ひとつ乱さない工藤くんとは違って、私と風香はへたり込む寸前。


き、きっつい…


心臓がこれでもかってくらいバクバクいってる。


日頃の体力不足がこんな所で仇になった。


「はあ、疲れた…山本先生から逃げたのなんか初めてやわ」


「ああ、僕も」


「後がこわいわ…3人で怒られるんならまだマシやけどな」


うん…あれだけ叫ばれてたのに逃げ切っちゃったんだもんね。


本当に後がこわいよ。


それでも2人がいてくれて本当によかった。


後悔はないよ。


どれだけ怒られたっていいや。


それより今は


「ゆっくりでいいから、行こう。もうすぐそこだ」


早く、深影とおばあちゃんの所に行かないと。


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