あの日失くした星空に、君を映して。


「ねえ、深影」


こんな話、今することじゃないのかもしれないけれど。


「前に、鏡華って名前が万華鏡の中に入ってるって言ってくれたでしょ?」


初めて深影の前で泣いたあの日。


会って間もないのに突然泣かれて、困ったのは深影の方だっただろうな。


「私ね、自分の名前嫌いなの」


好きだったんだよ。


でも、あの日からずっと嫌悪しかなくて。


呼ばれるたびに、泣きそうになったこともあった。


「万華鏡って綺麗でしょ?世界が回るの。私のおじいちゃんは昔万華鏡を作る職人さんだったんだって」


小さな作業場で万華鏡を作っていたって言ってた。


建物が潰れてからは万華鏡に触れてもいなかったらしいけれど。


「おじいちゃんは万華鏡が好きで、私が女の子だってわかった日からずっと鏡華って名前をつけたかったって」


何度も呼んでくれた、私の名前。


鏡華、鏡華、って。


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