漆黒の闇に、偽りの華を
女性は、あたしに気が付くと驚いた顔をして口を両手で押さえる。
「きょ、きょ、きょ、きょ、恭ちゃんが彼女連れてきたーーーーーっっ!!!!!」
凄い驚きようだ。
「あ、あのっ!彼女じゃっ……」
「彼女じゃないですから。」
恭がキッパリと否定する。
……そうだけどさ……。
そんなあっさり否定しなくてもさ……。
「柚菜(ユウナ)何叫んでんだ?早く席に……あれ?恭か?」
カウンターの奥から、1人の男性が出てくる。
背が高くて逞しくて、凄くカッコイイ人。
さすがのあたしも目が奪われる。
「理(サトル)さん。お久し振りです。すみません。忙しい時間帯に。」
「おうっ。本当久し振りだな。顔出さねぇから心配してたんだぞ。ゆっくりしてけ。」
「はい。ありがとうございます。」
「理君っ!!恭ちゃんが彼女連れてきた!!」
「彼女じゃないんです!」
今度は、恭にキッパリ否定される前にあたしが否定をする。
理さんと呼ばれる男性は、あたしをチラリと見ると、少し微笑んで
「ゆっくりしていきな。」
とだけ言って、カウンターの奥に戻って行った。
「恭ちゃんと……えっとー。」
「あ!茉弘です!」
「うん!茉弘ちゃん!好きな所座っていいよ!メニューは席にあるからね♪」