漆黒の闇に、偽りの華を


女性は、あたしに気が付くと驚いた顔をして口を両手で押さえる。


「きょ、きょ、きょ、きょ、恭ちゃんが彼女連れてきたーーーーーっっ!!!!!」


凄い驚きようだ。


「あ、あのっ!彼女じゃっ……」


「彼女じゃないですから。」


恭がキッパリと否定する。



……そうだけどさ……。


そんなあっさり否定しなくてもさ……。


「柚菜(ユウナ)何叫んでんだ?早く席に……あれ?恭か?」


カウンターの奥から、1人の男性が出てくる。


背が高くて逞しくて、凄くカッコイイ人。


さすがのあたしも目が奪われる。


「理(サトル)さん。お久し振りです。すみません。忙しい時間帯に。」


「おうっ。本当久し振りだな。顔出さねぇから心配してたんだぞ。ゆっくりしてけ。」


「はい。ありがとうございます。」


「理君っ!!恭ちゃんが彼女連れてきた!!」


「彼女じゃないんです!」


今度は、恭にキッパリ否定される前にあたしが否定をする。


理さんと呼ばれる男性は、あたしをチラリと見ると、少し微笑んで


「ゆっくりしていきな。」


とだけ言って、カウンターの奥に戻って行った。


「恭ちゃんと……えっとー。」


「あ!茉弘です!」


「うん!茉弘ちゃん!好きな所座っていいよ!メニューは席にあるからね♪」

< 185 / 200 >

この作品をシェア

pagetop