漆黒の闇に、偽りの華を




「ご注文はお決まりですか~♪」


柚菜さんが、あたし達の前にお冷やを置きながら言う。


「あ!はいっ!」


「茉弘ごめん。頼んでおいてもらえる?俺ちょっとトイレに行ってきます。」


「うん。分かった。」


恭は席を立つ。


「えっと、コレ2つと、アイスコーヒー2つ……」


「むふふふ。」



ん?


「な、何ですか!?」


柚菜さんは、あたしを見ながらニンマーリとしている。


「ううん!ううん!何でもないのよっ!
ただ、恭ちゃんがここに女の子と二人で来るなんて初めてだから……何か嬉しくって!!」


柚菜さんは、トレイを抱き締めてニッコリ笑っている。


雰囲気や仕草から何まで、本当に可愛い人だなぁ……。


「ねぇ?本当に恭ちゃんの姫さんなんじゃないの??」


こんなに可愛い人からまさかの暴走族用語が出てくるなんて……。


あたしは、驚いて目を見開く。


「柚菜さん……姫とか知ってるんですか?」


「知ってるよ~!だってあたしも元姫だもん♪」


「えっ!?」



「どうしました?」


いつの間にか恭が戻って来ていて、あたしと柚菜さんの顔を交互に見る。


「ご注文承りました~♪」


柚菜さんは、あたしにウインクをしてその場を離れる。


< 187 / 200 >

この作品をシェア

pagetop