漆黒の闇に、偽りの華を
「ご注文はお決まりですか~♪」
柚菜さんが、あたし達の前にお冷やを置きながら言う。
「あ!はいっ!」
「茉弘ごめん。頼んでおいてもらえる?俺ちょっとトイレに行ってきます。」
「うん。分かった。」
恭は席を立つ。
「えっと、コレ2つと、アイスコーヒー2つ……」
「むふふふ。」
ん?
「な、何ですか!?」
柚菜さんは、あたしを見ながらニンマーリとしている。
「ううん!ううん!何でもないのよっ!
ただ、恭ちゃんがここに女の子と二人で来るなんて初めてだから……何か嬉しくって!!」
柚菜さんは、トレイを抱き締めてニッコリ笑っている。
雰囲気や仕草から何まで、本当に可愛い人だなぁ……。
「ねぇ?本当に恭ちゃんの姫さんなんじゃないの??」
こんなに可愛い人からまさかの暴走族用語が出てくるなんて……。
あたしは、驚いて目を見開く。
「柚菜さん……姫とか知ってるんですか?」
「知ってるよ~!だってあたしも元姫だもん♪」
「えっ!?」
「どうしました?」
いつの間にか恭が戻って来ていて、あたしと柚菜さんの顔を交互に見る。
「ご注文承りました~♪」
柚菜さんは、あたしにウインクをしてその場を離れる。