漆黒の闇に、偽りの華を
「凄いっ……!」
あたしは柚菜さんの方を見る。
柚菜さんは、あたしが見ているのに気が付いて、手を振っている。
お腹はエプロンで隠れているからか、あまり目立たない。
「何か、本当に凄いな……。あの人達は、色んな事を乗り越えて、今幸せなのね……。」
「そうですね。あの二人は、まさに昨日百合が言っていた暴走族ジンクスとかいうやつのお手本ですね。」
恭は、カウンターの奥で仲良く話す二人を見ながら優しく微笑えんでいる。
「俺が中学の時に理さんが現役の総長だったんです。
理さんにはその時に出会ったんだけど、初めて会った時には鳥肌が立ちました。何て言うか、他とはオーラが違くて……。
柚菜が姫になって、理さんは柚菜を守るために、より一層強くなろうとしました。
そして気が付いたら、過去最強の総長と言われるまでになっていたんです。」
柚菜さんの存在が、理さんを強くしたんだ。
そして、きっと柚菜さんもそんな理さんを側で支え続けた。
いや、柚菜さんの存在その物が理さんの支えになっていたのかもしれない。