猫の恩返し
「んで…。何でまたこんなことになってんの?」


俺の服を掴んで離さないナツを覗き込む

何かされると思ったのか、亀のように首を縮こませ眉を寄せるナツ


「そんな顔しなくても、取って食わねえよ」


フッと笑い、ナツから離れた

短い髪を掻き上げ、備え付けてある椅子にドカッと腰を下ろす


「お前で助かったよ」


そう言って俺が大きく息を吐くと、溝口は怪訝な顔を俺に向けた


「あ?どういう意味?」


「他のヤツらだったら、説明に困った」


「説明に困るようなことなのか?」


何をどう説明するべきか

いくら気の知れたヤツといえど、相手は警官

対処の方法を間違えたら、かばってもらうのは不可能に等しい


「お前さ、コイツ人間に見える?」


「人間以外の何に見えるんだよ?」


ま…当たり前の答えだよな


「ナツ」


相変わらず俺の服にしがみ付いたままのナツの頬を両手で包み込み、俺の方を向かせる


「お前、今日俺が出て行ってから何してた?」


ナツは目をぱちくりとさせて首を傾げた

溝口も、ぽかんと口を開ける
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