猫の恩返し
「お前さ…。さすがにそれはないだろ。何?監禁でもしてんの?」


「んなわけねーだろ。部屋に入った時、鎖とか首輪とかしてたかよ?」


「俺は現場に行ってないから知らねえよ」


呆れたように笑う溝口


「係長は現場行かないのか?」


「まぁ…。あんまりエラそうには言えないけど、現場に行くのはだいたい交番勤務のヤツらだし、上になればなるほど現場に出る機会はなくなる」


「そっか」


「んで?続きは?」


続き…?


「猫の砂の続き」


俺の表情で読み取ってくれたのか、顎でナツを示し先を促す


「ナツ」


「ん?」


「トイレ済ませた後、ちゃんと拭いたか?」


公衆の面前でこんなことを聞くのも恥ずかしいが、この際そんなことは言っていられない


「あ…」


バツが悪そうに言葉を濁すナツ


「その調子だと、拭いてないのか…」


「つい…。ごめんなさい」


シュンとして俯いた
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