猫の恩返し
「ナツが何なのか…。お前自身で聞いたらいいじゃないか」


「………」


はぁーっと呆れたような溜息を吐き、ガシガシと頭を掻く溝口


「ナツ…ちゃん?」


溝口に呼ばれ、頭のてっぺんから糸で引っ張られてるかのように、ピンと姿勢を正す


「君は人間…だろ?」


シンプルな質問

でも、これ以上ないぐらい的確な質問だ


「………」


「ちゃんと答えてくれないと、俺には分からない」


口元は笑っているが、目元は笑っていない


さすが…現場仕込みの人間は、普通のヤツらと違ってオーラが違うな…


腕組みしながらナツの出方を窺う溝口は、29とは思えないほどの風格だ


「黙ってたら…いつまで経ってもここから出られないぞ」


「溝口ッ!」


脅し文句に、思わず大きな声が出る
< 45 / 215 >

この作品をシェア

pagetop