麗雪神話~炎の美青年~
ヴァイパの姿を追ってみると、彼は野の花を集めて束にしている最中のようだった。

なるほどそれはいい案かも知れないとセレイアは思う。

プミールの主食は花だ。それを束にして持っていれば、匂いに誘われて野生のプミールが現れるかも知れない。

アヴァは遠くの方で鳴き声をまねているようだった。

それももしかしたら妙案かも知れない。

プミールの仲間だと思って、寄ってくる可能性がある。

ビッチィは足元の土をよく見ながら、ぶらぶらと森の中を歩いていた。足跡をさがしているのだろう。

そしてブレイズはというと……

時折かがみこんで何かを懸命に拾いながら、大木の影をのぞきこんで歩いていた。

「わかった。きっとブレイズさんはプミールの巣をさがしているんだ。プミラも、寝床として木の影が大好きだったし」

「なるほど…ブレイズさん、なかなかやるわね」

この分なら皆遠からずプミールをみつけるだろう。
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