麗雪神話~炎の美青年~
「どういうつもり!? 国宝なんてあなたに使い道ないでしょう。
挙句こんな危険なところに皆を呼びつけて!
早く返してあげてちょうだい!」

「まあまあ、そういきりたたないで。残念ながら僕にも目的ってものがあるんだよね。というわけで、まだ返してあげられないなぁ~」

「なら力ずくで奪い取るまでよ! どうやってそんなところにのぼったのか知らないけど、降りてきなさい! 相手になるわ!」

「血の気が多くていやだねえ、お嬢さん?」

なぜこの男はいつもこう余裕の表情なのだろう。

セレイアは腹が立って、今にも槍を投げようと振りかぶった。

「おやおや、僕を串刺し?」

なんだか楽しそうな口ぶりにさらに怒りが増す。

「串刺しになりたくなかったらさっさと首飾りを返しなさい!」

「だ~か~ら、まだ返してあげられないって。
でも、そうだなあ。
そんなにそっちに来てほしいなら、行ってあげるよ。ほら」

次に吟遊詩人がとった信じられない行動に、セレイアもディセルも声が出なかった。

でっぱりの上に立ち上がり、なんと…

そこから跳んだのだ!

くるくると回転しながら落下し、セレイアたちのいる細い足場に見事に着地する。

首飾りがしゃなりと鳴った。
< 67 / 176 >

この作品をシェア

pagetop