SONG 〜失われた記憶〜
チリーン。
古びた鈴を鳴らして店内に入る。
見慣れた顔ぶれがぞろぞろと揃っていた。
カウンターには経営者だが、
経営者らしからぬ中年男性がふしだらな雑誌を手にいやらしく、
鼻の下を伸ばしている。
名を松田圭一という。
皆んなからはユウちゃん同様、
ケイちゃんという愛称で親しまれている。
三十七歳、
独身。
「圭一さん、
こんばんは」
「…よお」
「ケイちゃん、
急に悪い。
適当につまめるもん作ってくれ」
「…へいへい、
しゃーねーな」
「あ、
あとプリンも。
ルイの分」
忘れないうちに頼んでおく。
でないと後でルイがうるさい。
ちなみに私が圭一さんを愛称で呼ばないのは、
彼が父の知人であるからだ。
特に深い理由はない。
料理が出来上がるまで私たちは、
椅子に座って寛ぐ。
久々に顔を合わせるうちのスタッフたちも、
相変わらず元気そう。
「詩」
「…綾那。
何を飲んでるの?」
「レモン水。
ちょっと飲む?」
「うん。
ちょうだい」
こうして彼女と何気なく話すのは久しぶり。
赤坂の家にずっと、
缶詰状態だったので当たり前だが。
古びた鈴を鳴らして店内に入る。
見慣れた顔ぶれがぞろぞろと揃っていた。
カウンターには経営者だが、
経営者らしからぬ中年男性がふしだらな雑誌を手にいやらしく、
鼻の下を伸ばしている。
名を松田圭一という。
皆んなからはユウちゃん同様、
ケイちゃんという愛称で親しまれている。
三十七歳、
独身。
「圭一さん、
こんばんは」
「…よお」
「ケイちゃん、
急に悪い。
適当につまめるもん作ってくれ」
「…へいへい、
しゃーねーな」
「あ、
あとプリンも。
ルイの分」
忘れないうちに頼んでおく。
でないと後でルイがうるさい。
ちなみに私が圭一さんを愛称で呼ばないのは、
彼が父の知人であるからだ。
特に深い理由はない。
料理が出来上がるまで私たちは、
椅子に座って寛ぐ。
久々に顔を合わせるうちのスタッフたちも、
相変わらず元気そう。
「詩」
「…綾那。
何を飲んでるの?」
「レモン水。
ちょっと飲む?」
「うん。
ちょうだい」
こうして彼女と何気なく話すのは久しぶり。
赤坂の家にずっと、
缶詰状態だったので当たり前だが。