SONG 〜失われた記憶〜
「はい、
詩」
「ありがと」
圭一さんの元から戻ってきた綾那は、
レモン水が注がれたグラスを私に手渡す。
「詩、
もうちょいしたら始めるって」
「あ、うん。
わかった」
皆んなの輪から外れていた私たちを、
空が呼びに来てくれた。
相変わらず綾那には目もくれずに、
スタスタと皆んなの輪の中へ戻ってゆく。
付き合いがそれなりに長い、
綾那でさえこうだ。
少しは愛想良くしてもいいと思うのだが、
こればかりはしょうがない。
「相変わらずだね、
水嶋君。
私最初、
嫌われてるのかと思ってた」
「誰に対してもあんなだよ、
空は」
「……昔から?」
「んー、
小さい頃は普通だったよ。
今より愛想良かったし、
明るい男の子だったもん」
「え、
そうなの?」
綾那は意外そうに私の顔をじっと見つめた。
確かに今の空からは想像も出来ないだろう。
「うん。
中学に上がる少し前かな?
空ね、
凄く好きだったお姉さんがいたの。
音大に通っている大学生で、
ハル兄の彼女だった。
でも空はお姉さん、
百合さんって言うんだけど彼女のこと諦めきれなかったみたい」
「初恋?」
詩」
「ありがと」
圭一さんの元から戻ってきた綾那は、
レモン水が注がれたグラスを私に手渡す。
「詩、
もうちょいしたら始めるって」
「あ、うん。
わかった」
皆んなの輪から外れていた私たちを、
空が呼びに来てくれた。
相変わらず綾那には目もくれずに、
スタスタと皆んなの輪の中へ戻ってゆく。
付き合いがそれなりに長い、
綾那でさえこうだ。
少しは愛想良くしてもいいと思うのだが、
こればかりはしょうがない。
「相変わらずだね、
水嶋君。
私最初、
嫌われてるのかと思ってた」
「誰に対してもあんなだよ、
空は」
「……昔から?」
「んー、
小さい頃は普通だったよ。
今より愛想良かったし、
明るい男の子だったもん」
「え、
そうなの?」
綾那は意外そうに私の顔をじっと見つめた。
確かに今の空からは想像も出来ないだろう。
「うん。
中学に上がる少し前かな?
空ね、
凄く好きだったお姉さんがいたの。
音大に通っている大学生で、
ハル兄の彼女だった。
でも空はお姉さん、
百合さんって言うんだけど彼女のこと諦めきれなかったみたい」
「初恋?」