SONG 〜失われた記憶〜
「……ねえ、
外出ない?」
「え?」
「あ、
いや。
さっき来る時、
月が凄い綺麗だったからさ。
月見酒しようよ」
「月見酒……いいかも」
私たち二人は騒がしくなっている店内をこっそり抜け出し、
店の外に設置してある、
粗末なベンチに腰掛けた。
彼の言う通り、
夜の闇に浮かび上がる満月はなんとなく、
いつもより綺麗に見える。
手を伸ばせば届くのではないか、
と錯覚してしまうくらい近く感じた。
「……綺麗」
「でしょ?
詩ちゃんと一緒に見たくて」
「………流れ星、
流れるかな」
「どうかな」
ここは都心から少し離れているので、
夜になれば星も少なからず見える。
こうして夜空を見上げていると昔、
家族で一度だけ行ったキャンプを思い出す。
あの頃はハル兄も元気で私の身体も少しずつ丈夫になりつつあり、
両親と初めて泊まりがけで出かけた日だった。
あの日の夜も今日のように綺麗な満月が浮かび上がっていて、
煌びやかな星を家族四人肩を並べ、
仲良く夜空を見上げていた。
私は流れ星が見たくてずっと夜空を見上げていたのだが、
結局疲れて眠ってしまった。
気づいた時には朝日が昇っていた。
出来ることならあの頃に戻りたい。
笑顔の絶えなかったあの日々に……。
外出ない?」
「え?」
「あ、
いや。
さっき来る時、
月が凄い綺麗だったからさ。
月見酒しようよ」
「月見酒……いいかも」
私たち二人は騒がしくなっている店内をこっそり抜け出し、
店の外に設置してある、
粗末なベンチに腰掛けた。
彼の言う通り、
夜の闇に浮かび上がる満月はなんとなく、
いつもより綺麗に見える。
手を伸ばせば届くのではないか、
と錯覚してしまうくらい近く感じた。
「……綺麗」
「でしょ?
詩ちゃんと一緒に見たくて」
「………流れ星、
流れるかな」
「どうかな」
ここは都心から少し離れているので、
夜になれば星も少なからず見える。
こうして夜空を見上げていると昔、
家族で一度だけ行ったキャンプを思い出す。
あの頃はハル兄も元気で私の身体も少しずつ丈夫になりつつあり、
両親と初めて泊まりがけで出かけた日だった。
あの日の夜も今日のように綺麗な満月が浮かび上がっていて、
煌びやかな星を家族四人肩を並べ、
仲良く夜空を見上げていた。
私は流れ星が見たくてずっと夜空を見上げていたのだが、
結局疲れて眠ってしまった。
気づいた時には朝日が昇っていた。
出来ることならあの頃に戻りたい。
笑顔の絶えなかったあの日々に……。