SONG 〜失われた記憶〜
「美味しそうでしょ?」
耳元で囁かれた低く聞きなれた声に驚き、
私は大きく身体を跳ね上げた。
「ぎゃっ!
……びっくりした。
驚かさないでよ、義人さん」
「ははっ、
ごめんごめん」
年齢とは不釣り合いなほど無邪気な笑顔。
私はいつもこの笑顔に癒され、
救われてきた。
私の元気の源と言っても過言ではない。
………色気のない声を出してしまったが、
気にしないことにする。
「こんな時間に来たってことはもしして仕事だったの?」
「あ、
いや。
まあ…」
言い忘れていたが、
彼は数年前から別居中ではあるものの、
既婚者である。
仕事ばかりで家庭を顧みない自分に、
愛想尽きたんだ、
とよくお酒の場で嘆いていたのをよく覚えている。
別居をしていても月に一度は会っているらしく、
こうして歯切れ悪く答える時は大抵、
奥さんがらみ。
なぜか私には話たがらないので、
深くは追求しないが。
耳元で囁かれた低く聞きなれた声に驚き、
私は大きく身体を跳ね上げた。
「ぎゃっ!
……びっくりした。
驚かさないでよ、義人さん」
「ははっ、
ごめんごめん」
年齢とは不釣り合いなほど無邪気な笑顔。
私はいつもこの笑顔に癒され、
救われてきた。
私の元気の源と言っても過言ではない。
………色気のない声を出してしまったが、
気にしないことにする。
「こんな時間に来たってことはもしして仕事だったの?」
「あ、
いや。
まあ…」
言い忘れていたが、
彼は数年前から別居中ではあるものの、
既婚者である。
仕事ばかりで家庭を顧みない自分に、
愛想尽きたんだ、
とよくお酒の場で嘆いていたのをよく覚えている。
別居をしていても月に一度は会っているらしく、
こうして歯切れ悪く答える時は大抵、
奥さんがらみ。
なぜか私には話たがらないので、
深くは追求しないが。