……っぽい。
 
ゴチンと歯と歯が当たった痛すぎるキスに顔を歪めていれば、抱きつかれた衝撃でわずかに開いた口に舌まで侵入してくる。

やばい!やばいやばい!

笠松が何かをとんでもなく勘違いしている!

けれど、歯がじんじん痛くても甘い吐息が漏れてしまうほどに笠松のキスは上手で、久しぶりに味わう体の奥から込み上げてくる熱い疼きには、どうしたって抗いようがなかった。


「ん……かさ、まつ……」

「……先輩のキス、エロっ」

「笠松だって……んっ……エロい」


笠松に求められるばかりか、次第に私からも求めるように舌を絡ませてしまって、頭の中では笠松の勘違いなのよと思っていても、体の力がするする抜けて何も考えられなくなってくる。

笠松の舌は、そのうち私の首筋を這うように動きはじめ、唇で軽くついばんだり耳たぶを甘噛みしたりと、やりたい放題の体を見せ始めた。

舌の動きに呼応するように声を漏らせば、笠松は嬉しそうにその部分を攻め、手はびっくりするほどあっさりと服の下の素肌に触れる。


「……がっついちゃって、いいんですよね?」


やがて私と目を合わせた笠松は、今までの情熱的な愛撫とは反対に、瞳を不安げに揺らしながら、躊躇いがちにそう尋ねてきた。
 
< 121 / 349 >

この作品をシェア

pagetop