……っぽい。
そういえば、俺が会社を出る少し前、クレームが入ったとかで先輩も外回りに出て行った記憶があるのだけれども、まさかこんなところで女児相手に油を売っていたとは……。
ていうか先輩、ついさっきも大崎ちゃんに風邪気味だって言っていたじゃないですか、だいたいの予想はつきますけど、でもそこは自分の体のことを考えて行動しましょうよ!
もっと風邪引いちゃうでしょ!?
「お姉ちゃんにね、落としたキーホルダー探してもらってたの。これくらいの、お花の」
「……え?」
「パパとママがハナの誕生日にプレゼントしてくれた大事なものなのって言ったら、お姉ちゃん、任せろーい!って。ほんとに見つけてくれちゃうんだもん、スイキュアみたい!」
「へえ、スイキュア……」
えっこらえっこらと川から上がってくる先輩を呆気にとられながら見つめていると、女の子が事の経緯を説明してくれ、キーホルダーの大きさを小さな手で表現してくれた。
ピンポン球より一回り大きいくらいのキーホルダーって、探し当てられるか、普通……。
スイキュアのことはよく分からんが、きっと正義のヒーロー的なニュアンスなのだろう、土手を這い上がってくる先輩に駆け寄る女の子の顔は、名前の通り花が咲いたようだった。