……っぽい。
スズメにビクつき、思わずぐっと身を引いてしまいながら訝しげに「何が」と尋ねると、カグは食べ終わった串を皿に戻しながらこう言う。
「まっつんは、自分から誰かを好きになるとクサい台詞を恥ずかしげもなくポンポン吐けるタイプだったんだなと思ってな。今のまっつん、確かに生殺し状態でかなりウケるけど、千晶とつき合ってた頃より楽しそうに見えるんだよ。だから頑張れば? まっつんなりに」
「クサいって……。ほんでも頑張った報酬は先輩のご飯なんだけどな。あれ、でも俺、ちゃんと千晶を好きなように見えなかったか?」
うっかり聞き流してしまいそうになったが、初めて聞いたカグの感想に目が丸くなった。
俺ら3人は大学の同期であり、千晶と同じ大学に進んだ俺がカグと親しくなったことで、千晶もカグと親しくなったという経緯がある。
でもカグは、大学時代のあの頃も、それぞれに就職し、たまにしか会えなくなった頃も、千晶と同棲を始めたときも、別れたときも。
そして俺が、どうやら先輩のことが好きみたいなんだけどクラゲ脳だから困っていると相談したときも、特に何も言ってこなかった。
それが今になって“千晶とつき合っていた頃より楽しそう”って、一体どういう意味だろう。