……っぽい。
ほうほうと元気に湯気の立つオムライスと冷蔵庫で冷え冷えになっていたオレンジをお盆に乗せて戻ってきた瀧川さんは、まず私にその『ちんじゅう』を見せてからスプーンで半分に分け、新しいお皿に乗せた分を私に差し出す。
「私、元のお皿でいいですよ」「いいんです、おなかに入っちゃえば一緒ですから」という一種お決まりのやり取りを終え、結局最初に取り分けてもらった形で落ち着くと。
「いただきます」
声を合わせ、食べ始めた。
笠松のオムライスは、いくら『ちんじゅう』と愛ある悪口を書かれていても美味しく、私の気持ちをほっこりとさせてくれる。
温かいものと“笠松が作った”というだけで、単純だけど体も心も元気になり、恥ずかしいことにオレンジはほとんど私が食べてしまった。
「あ、食器は私が!」
空いたお皿を重ね持ち、シンクに下げるために立ち上がろうとした瀧川さんに願い出て、今度は私がキッチンに向かい、ついでに紅茶のお代わりを持って瀧川さんのところへ戻る。
かれこれ30分くらい、こうして他愛ない雑談をしながら一緒にいるだろうか。
瀧川さんが常に柔らかい物腰で私の相手をしてくれるので、たぶん服の乾燥は終わったと思うけれど、帰したくなくなってしまう。