……っぽい。
 
「……んな、千晶は俺とつき合ってたとき、俺のこと、どう思ってた? 好きとか嫌いとかいう感情論じゃなくて、人間的に」


吹き出したノンアルの量はそれほどでもなかったため、布巾を自分の手元に置きながら、今なら聞いてもいいかと思い、尋ねてみる。

確かカグには『千晶に流されている』とか『うまく転がされている』なんて言われたが、千晶は俺をどういうふうに思っていたんだろうか。


「なによ、突然。……うーん、でも、今だから言わせてもらえれば、人間的には転がしやすかったかな。相手が望むことを叶えてやるのが一番いいっていう考えは、素敵だと思うし嫌いじゃなかったよ。それがジュンノの優しさだって分かってもいたから。けど、ちょっと物足りなくも感じてたかな、あの頃は」

「……そっか」


やばい、今、めっちゃグッサリ来た……。

カグに言われたことと同じようなことを千晶もずっと思っていたなんて。

けっこうショックなんだけど。


「でもでも、誤解しないで!もちろん私はちゃんと好きだった!私から告白したんだもの、本当に大好きだったよ。意図して転がそうとしたんじゃないの。ジュンノがどうしたらいいか分からなくて戸惑ってたから……」

「だよな、俺が千晶をそうさせたんだよな」
 
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