……っぽい。
例えが悪かったのだろう、腕を組み、首を傾げながら難しい顔で考え込んでいる千晶に苦笑すると、俺はある質問を投げかけてみる。
先輩が冬の川に入ってキーホルダーを探し、案の定大風邪を引いた、あの話だ。
「じゃあ、この話なら、わりと分かりやすいかも。ある冬の日、道を歩いていたら、千晶は橋の真ん中辺りである女の子を見つけました。その子は、下の川をじーっと眺めたまま一向に動きません。どうだ、気になる話だろ?」
「ちょ、ジュンノ?」
訳が分からないといった様子で口を挟んだ千晶を、まあまあと手で制し、話を続ける。
「気になった千晶は、女の子にワケを聞いてみることにしました。すると女の子は、うっかり川に大切なキーホルダーを落としてしまったと言うじゃありませんか。もっと詳しく話を聞いてみると、誕生日に両親から贈られた自分の名前と同じ花の形をしたキーホルダーだと言う。さて、千晶ならどうするでしょう」
先輩がつまみにでも開けたのだろう、パーティー開けのポテチの袋から何枚かをつまみ、ノンアルをちびちび飲みながら千晶の回答を待つ。
千晶ならどうするだろう。
やっぱり、新しいキーホルダーを買ってもらいなと言って女の子を慰めるだろうか。