……っぽい。
「そうだなあ、私なら、近くにいる人に声をかけて代わりに探してもらうか、女の子に新しいものを買ってもらいなって言うかな」
「ほう。で、その心は?」
「私が川まで探しに行ったら女の子が1人になっちゃって可哀想だし、その間に変な人に声かけられて連れて行かれちゃったりでもしたら、そっちのほうが大変でしょ? 私、死ぬほど後悔する。それに、わざとじゃないんだから、両親だって新しいのを買ってくれると思う」
予想通りの回答に、思わずぷっと吹き出す。
やっぱり千晶は千晶だなあ……。
「なによ。私、おかしいこと言ってないよ?」
「ごめんごめん。ただ、やっぱり千晶ならそういう答えが返ってくるような気がしてた。そうだよなあ、普通に考えたら千晶の考え方が正統派だ。でも先輩は、そこで川に入れる」
「冬でしょ!? ……あり得ない」
そう言って、自分で自分の体を抱きしめ、身震いまでする千晶に、また苦笑する。
「先輩はその、千晶にとってはあり得ないことが普通にあり得ちゃう人なんだよ。これはどっちが正しいって話じゃない。俺には先輩のそういう優しさがしっくり来てて、守りたいって思えるだけ。むしろ、あらゆるリスクを考慮して自分が女の子の側から離れない選択をする千晶のほうが、この場合、正しいかもな」