……っぽい。
一番の懸念材料だったのが、そこだ。
医者とつき合った看護師のあるある話を、友人知人や営業先の相手とも雑談の中で聞いたことがあるが、ひどい場合はひどいらしい。
千晶の今の口ぶりからすると特に嫌がらせを受けているようには聞こえなかったが、元カノが幸せな恋をしている証拠というか、あの医者と上手くいっているという安心感が欲しい。
が。
「一回寝て、合わなかったから捨てたよ」
「……は!?」
「やっぱりジュンノじゃないと盛り上がらないっていうか、体が受け付けないっていうか。そもそも気持ちなんて最初からなかったわけだから、それが当たり前なんだろうけどさ」
「絶句だわ……」
千晶は髪の毛の先を指にくるくると巻きつけながら事もなげにそう言い、俺は絶句した。
コイツには魔性の血が流れているのか!
なんかもう、俺の中で可愛い女の子のままだった千晶がどんどん崩壊していくんだけど……。
すると。
「……んね、私ともっかい、えっちしない?」
四つん這いでテーブルを回り込み、俺の隣に場所を移した千晶が、俺の腕に胸を押しつけつつ耳元でとんでもないことを言い始めた。