……っぽい。
お互いにグッと握り拳を作り、気合いの入った表情で目を合わせると、健闘を誓い合う。
大泣きしたので、しほりより少し先に託児所を出て、お手洗いに寄って顔を直してからじゃないと部署にはなかなか戻れない。
「ハンカチ、洗って返す~」
「おー」
拓人くんの腕を取り、彼にくにゃくにゃと手を振らせながらしほりが笑って送り出してくれた。
拓人くんはまだおっぱいが名残惜しい様子で、しほりはもう少しつき合うつもりらしい。
「さて。頑張ろー」
ぐーっと伸びをし、パタパタと廊下を急ぐ。
まずは一旦、課に戻って化粧ポーチを取ってからお手洗いに向かわなければならないので、顔面の崩壊具合によっては復旧作業に時間がかかる場合も考慮し、小走りで向かう。
と。
「すいません、課長。でも今、俺はここを離れるわけにはいかないんです」
「でも、この間まで前向きに検討すると言ってくれていたじゃないですか。どうしたんです」
「……、……すみません」
「……」
例のマムッポンの自販機付近に差し掛かったとき、その陰の死角からそんな会話が聞こえ、私は思わず足を止めてしまった。