……っぽい。
マムッポンの自販機は、ちょうど階段下のデッドスペースにあり、そこにはこの1年と数ヶ月の間『めんこい課』で生み出してきためんこいものの販促グッズやサンプル、店舗用ポップやパネルの大小を保管している倉庫もある。
喫煙所は違う階にあるけれど、ちょっと休憩したいときや気分転換をしたいときなどに、よく課の面々がそこで油を売っているので、特別、珍しい光景でもなさそう--だけど。
「笠松……と、真山課長?」
私なんかが立ち聞きをしていたらマズそうな雰囲気と話の内容に、ゴクリと喉が鳴った。
しかし、ここを離れるわけにはいかないとか、この間まで前向きに検討すると言っていただとか……一体、なんのことなんだろう?
笠松は課長に何をそんなに打診されているの?
私、何も聞いていない。
「ですが笠松君、これは笠松君にしかできない仕事なんです。君だって楽しそうだって言っていたじゃないですか。滅多にないんですよ、こういう機会は。もう一度前向きに--」
「いえ。いつ返事をもらえるか分からない状況で3ヵ月とか、ちょっと無理です。その間に心変わりされたら課長、責任取れますか?」
そんな中、再度、低姿勢で打診する課長の言葉を遮り、笠松が鬼課長相手にびっくりするほど強気に食ってかかり、私は度肝を抜かれる。