……っぽい。
千晶さんの名残りであった数点の女子女子した物は、笠松がいつの間にか処分していて、私が気づいたときには部屋にはなかった。
今私が抱いているのは、笠松が普段、お尻に敷いたり、ちょっと横になるときに枕にしたりしている黒のモフモフクッションだ。
私は当初、新しい部屋を見つけたら出て行くつもりでいたし、まさかこれからも一緒に住もうだなんて言われるとは夢にも思っていなかったので、極力物を増やさないように、笠松の生活スペースを浸食しないように心掛けてきた。
けれど、いつの間にか少しずつ私の物が増え、笠松の生活スペースとの境目もなくなり、すっかりこの部屋に馴染んでしまっている現状に、危機感どころか安心感バリバリである。
それでも、その居心地の良さに頭の先までどっぷり浸かっていた私を引きずり上げたのは、プロポーズと、昼間の真山課長との話と。
それから。
「笠松がいなきゃ何もできないのかな、私」
笠松に依存しまくりの自分に対する嫌悪感。
自分のことでばかりウジウジと悩んでいたばっかりに、笠松が何を抱えながら一緒にいたいと言ってくれたのかまで頭が回らなかった。
「……」