……っぽい。
ここはいっちょ笠松を笑って送り出せるくらいの度量を持てと、私の中の何かが急き立てる。
笠松には昨日、自分のことが信じきれずに不安だからという意味で「考えさせて」と言ったけれど、今は笠松の足枷になることが怖いがために「考えさせて」と言いたい。
3ヶ月の出張か、留学か、一時的な異動か、あるいは別のことか、詳しいことは分からないけれど、笠松はそれを私のために蹴ったのだ。
たった3ヶ月なのに、自分のための3ヶ月ではなく、私のための3ヶ月にするために、巡ってきた滅多にないチャンスを自ら潰した。
散々考えて決めたことなのかもしれない。
迷ったり、天秤にかけてみたり、香久山さんに相談してみたりも、したかもしれない。
でも、一緒に暮らし始めてから一つ一つの商品に寝る間も惜しんで命を吹き込んでいる笠松の姿を近くで見てきた私には、どうしても“私”という選択が本心からのものとは思えないのだ。
だって笠松は、どんな仕事でもすごく楽しそうで、いつも目をキラキラと輝かせていて、めんこいものを生み出す作業をしているときが一番幸せそうな顔になっている。
本心では絶対に、真山課長に打診されている件にぐらぐらと心を揺さぶられ、その内容に魅了され、ワクワクだってしているはず。
それなのに……。