……っぽい。
「でも、昆野さんから話を聞かなかったら、たぶん今も私は笠松の本心が分からないままだったと思う。笠松は何も気にすることなかったんだよ? 自分が年下なことも、弱音を吐いたら私が離れてしまうんじゃないかって心配することも、なーんにも気にしないで怖いなら怖いって言ってくれてよかったんだから」
「……」
「そんなことくらいで私は離れない。笠松バカか、どんだけ自分が私に好かれてるか、全然分かってないじゃん。ハゲろアホ」
「う……」
痛いところを突かれて返す言葉もない。
「それに私、あのときのえっちがずーっと引っかかってて、すっごく考えてたんだから。普段あんまり機能してない脳みそフル稼働よ。おかげで引っ越しとか新しい家具とか、やらなきゃいけないことまで全部放り出しちゃって、寝ても覚めても仕事してても笠松のことばっかり」
「や……あれはマジですみませんでした」
基本ポジティブ思考の先輩のことだから、しばらくしたら忘れると思っていたが、どっこい、そんなことはなかったようで、ぷっくり頬を膨らませて怒った顔をしている先輩があんまり可愛くて、頭を下げつつも少し笑ってしまう。
いや、俺だってずっと気にしていたんだ、あんなふうに抱かれたら、先輩だってきっと気になって考えてしまうだろうに……。