……っぽい。
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水族館のある駅から自宅までは5駅分だ。
水族館と反対方向の路線に乗れば会社まで2駅と、そんな距離に私の部屋はある。
「へえー、俺の部屋とも、けっこうご近所さんだったりするんですね。だったら、同じ電車に乗ってたり、偶然道で会ったりしてても不思議じゃないのに、どうしてだろ。びっくりするくらい会ったことないですね」
マンションを見上げて、笠松はしみじみ言う。
笠松と部屋が近所という話は初耳だけれど、よくよく考えてみれば、かたや25歳の若者とかたやアラサーの29歳とでは行動範囲もテリトリーも違って当たり前だろうから、近所で会わなかったのも無理はないように思える。
コンビニやスーパーでは、もしかしたら一緒になったこともあるかもしれない。
けれどそれだって、お互いに気づかなかったら会っていないのと同じことになる。
私服の笠松なんて想像できないし、笠松だってきっと私服の私を想像したこともないだろう。
会社でのイメージがきっちり出来上がっているから、外で会っても気づかない。
社会人なんて、そんなものだ。
「あれだよ、電車で会わなかったのは、笠松の出社時間が早いからじゃない? 私だって自分じゃ早いほうだと思ってたけど、笠松より先に出社したことなんて、ここ何年ないもん」