……っぽい。
気を取り直し、香久山さんに問う。
この際半裸はもういいとして、なぜこの人は親友の貞操観念までどうにかしようとしているのかが、とても気になって仕方がない。
もしかして笠松は友人関係が気の毒な人なのだろうか、香久山さんと知り合ったばっかりに、えっちの相手を選ぶ権利すらも剥奪って……。
かわいそうに。
素直に同情するよ、ご愁傷様です。
ひとり、心で笠松の墓前に手を合わせる。
と。
「まっつん、言ってましたよ。良くも悪くも人に尽くしすぎるのが橘さんなんだって。そういう危なっかしい尽くし方が、アイツに“守らなきゃ”って思わせるみたいですね」
「そう、なんだ……?」
「ええ。俺、ビビりましたもん。親友の俺ですらゲロまみれのまっつんにドン引きしたのに、橘さん、全然そんなことなくて。だから、そういう人間愛的なものが、これから先、たった1人のためだけに注がれる愛になったら、まっつんはきっと、すげー喜ぶと思いますよ」
「……うーん、壮大すぎて難しい」
素直に感想を述べると、香久山さんはなぜか豪快に笑いながら「だからクラゲ!」と妙に納得したように言って、無遠慮に私の顔を指差しては、また同じように豪快に笑った。