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「いいってことよ。こっちゃ、あんたらがいるお蔭で、飯も宿も助かってるんだし」
そう言うと、貫七は参道の茶屋の一つで貰った稲荷山の地図を広げた。
参拝客用に、店や社が細かく描かれている。
「神社までの参道は、今日ざっと回ってみたがなぁ。何か、役に立ちそうな奴ぁいねぇな」
「……さすがに、店も多いですねぇ」
政吉が地図を覗き込み、感心したように言う。
「まぁな。でも参道の店にゃ用はねぇ。中にいるような気がするなぁ」
とん、と貫七が稲荷山を指す。
が、政吉は首を傾げた。
「でも、人の性別を変えるなんて、外法じゃないですか? そんな神域に、店を出せるでしょうか」
「そう言われればそうだな。でもなぁ、外法……かなぁ。それで真剣に悩んでる奴もいるんだぜ?」
ぐ、と政吉が黙り込む。
「真剣に悩んでりゃ、それなりの方法を授けてくれるのが、神様じゃねぇかい?」
「う、そ、そうですね……。ただ……そんな方法が、本当にあるのかと」
「信じられねぇのもわかるがな。俺だって信じられねぇよ。でも、現実に人の魂を自在に操る人もいるんだ」
少し、貫七の表情が引き締まる。
ふと気付けば、お嬢さんが見つめていた。
へら、と貫七が笑いかけると、我に返ったように目を見開き、お嬢さんはそそくさと、おりんを連れて部屋を出て行った。
そう言うと、貫七は参道の茶屋の一つで貰った稲荷山の地図を広げた。
参拝客用に、店や社が細かく描かれている。
「神社までの参道は、今日ざっと回ってみたがなぁ。何か、役に立ちそうな奴ぁいねぇな」
「……さすがに、店も多いですねぇ」
政吉が地図を覗き込み、感心したように言う。
「まぁな。でも参道の店にゃ用はねぇ。中にいるような気がするなぁ」
とん、と貫七が稲荷山を指す。
が、政吉は首を傾げた。
「でも、人の性別を変えるなんて、外法じゃないですか? そんな神域に、店を出せるでしょうか」
「そう言われればそうだな。でもなぁ、外法……かなぁ。それで真剣に悩んでる奴もいるんだぜ?」
ぐ、と政吉が黙り込む。
「真剣に悩んでりゃ、それなりの方法を授けてくれるのが、神様じゃねぇかい?」
「う、そ、そうですね……。ただ……そんな方法が、本当にあるのかと」
「信じられねぇのもわかるがな。俺だって信じられねぇよ。でも、現実に人の魂を自在に操る人もいるんだ」
少し、貫七の表情が引き締まる。
ふと気付けば、お嬢さんが見つめていた。
へら、と貫七が笑いかけると、我に返ったように目を見開き、お嬢さんはそそくさと、おりんを連れて部屋を出て行った。