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「お前はほんに、動物好きだの」

 反対側にいた今一人が、呆れたように言う。
 大男は、なおもおりんに頬擦りしつつ、相好を崩している。
 このままでは舐めたりされそうだ。

---そ、それだけは勘弁っ!!---

 目をぎゅっと瞑って耐えながら、おりんは早く大男が解放してくれることを願った。
 そのとき、店の娘と話をしていた老人が戻って来た。

「お嬢様。やはり噂は本当のようで。いえ、前にも似たようなことを聞かれたことがあるようです。腹の子の性別を変えることが出来る術者が、ここいらにいるとか。そういう噂を聞きつけてやって来た者がいるそうでございますよ」

 はた、と遠ざかっていたおりんの魂が戻ってくる。
 精神的にへろへろになりながらも、慌てておりんは聞き耳を立てた。
 隣に座っていた娘が、訝しげに老人を見る。

「性別を変える? まさか」

「いえ、実際それを求めてくる者がいたようです」

 それは多分、ここによく来ていた貫七らと一緒にいる『お嬢さん』が漏らしたことだろう。
 遠回しに聞くということをせず、直球で聞いたようだ。

---あの阿呆がっ---

 まぁ手っ取り早い方法ではあるけど、と思いつつ、おりんは二人に目を向けた。
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