私の居場所
かろうじて私が出した言葉は、彼の名前だった。
「園。」
今度は私の頬にあった手を肩口から背中へ回した。
「えっ。」
そのまま私の顔は颯太さんの胸に押し付けられていた。
「園は俺が居なくても大丈夫?」
そう囁く颯太さんは、はぁと息を吐いた。
「園、俺は1か月ほど工場を離れることになった。」
私は驚いて顔を上げた。
「社長の知り合いの工場で急に人が辞めて、とりあえず経験者が欲しいそうだ。その手伝いに行ってくる。」
これが何度も社長に呼ばれていた理由だったんだ。
「向こうで住み込みになりそうだ。その間俺のアパートの管理をしてくれるか?」
「住み込み?」
私はてっきりアパートから通える場所かと思った。