私の居場所
これを着るのはいつになるんだろう。

今度着るまでこのまま袋を開けるのを止めよう。

そう思っていると、そこに颯太が戻って来た。

「準備は出来た。」

それだけ言うと、私を抱き寄せる。

「多分向こうに行きっぱなしになると思う。戻ってくる日にこの部屋でハンバーグを作って待っていてほしい。日にちは連絡する。約束だぞ。」

そして私が顔を上げると、キスをする。

温かい…。

どれくらいの時間が経ったんだろうか。

颯太は唇を離すと、ニッコリ笑った。

「もう、ご両親が心配するから帰れ。」

私はゆっくり頷くと、颯太に背中を向けながら言った。

「颯太、待ってるね。」

車の中で一旦気持ちを落ち着かせよう。

私も30歳を過ぎた女だ。
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