私の居場所
するとその後に同じように福山さんが付いて来た。

「園、本当に美味しかった。ありがとう。」

私の背中越しに囁く福山さん。

何だかとても切ない声に私は振り返った。

そこにはその声のように切ない顔をしている福山さん。

「園、俺に人と過ごす温かさを教えてくれ。」

私は思わず息を飲んだ。

「無理な事を言っているのは充分承知しているつもりだ。」

そして私の横に並ぶと持っている食器をシンクへ置いた。

「頼むよ。」

そう言うと福山さんは戻って行った。

食器を洗い終えると、福山さんのそばへ行く。

私の姿をじっと見つめる福山さん。

きっと答えを待っているんだろう。

私は立ったまま、福山さんを見下ろす。

そして一度大きく深呼吸をした。
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