Calender_Girl

しかし、それも束の間だった。


全てが終って、普通の学校生活に戻ろうとすると
鋭い痛みが襲ってくるようになった。

胸の辺りに重みがあるかのように。


どうする事もできず、病院に行った。


そこで...これが喪失の痛みだ、と云う事を医師に聞かされた。











それからだった。


彼女の事を思い出そうとしても、霧が掛かったように
表情や、ディテールすら思い出せない。

そういう時があったかと思うと、
彼女の仕草や、穏やかな話し方...
一緒に過ごした時の事、を一遍に
駒落し映画のように思い出しては

心がバラバラに砕けてしまいそうに痛かったりして
ただ、無言で叫んで。

なぜだか声が出ないのだ。





一晩中、部屋を転げまわっていた事もあった。



半年くらい経った頃、「もう大丈夫かな」と
パソコンに電源を入れた時だった。



動悸がして、画面をみていられなくなって。
電源を切った。



そう、初めて彼女のホームページを見た日のこと。
ピアノの曲、メールのこと。


思い出してしまって。


辛かった....なぜだろう、失ってしまった事と
つなげて考えてしまうのだ。




だから、思い出のある場所には近づけなかった。





自分の気持ちが、どうなってしまうか判らなくて。


幸い、学校は卒業してしまったから
その事で悩む必要は無かった。


もし、これが在学中だったら
きっと、音楽室には近づけなかったに違いなかったろう....。




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