オトナの恋を教えてください
演奏がすべて終わり、ジャズバーはそこでおしまい。
腹も減ったしと近くのダイニングバーに入り直した。

目の前にドリンクが到着したのがいい機会だ。
いろはの目を覚まさせてやろうと、俺はとっておきのものを出す。


「いろは、なあ、これ見て」


俺が見せたスマホの画面には、斉田さんからもらった妖精いろはが映っている。

いろはの顔色が変わった。
口に運ぼうとしていたウーロン茶をテーブルに戻すと、俺のスマホに飛びついてくる。
お、こいつ、思ったより機敏に動けるぞ。


「きゃあああ!やめてください!消してください!」


予想以上の反応に俺は嬉しくなった。

なんだ、元気だ。
それに、慌て方のクオリティが最高。


「なんでー?可愛いじゃん」


俺は背をそらせ、いろはが届かない後ろへ腕を伸ばす。
対面の席から身を乗り出して、いろははスマホを奪おうと必死だ。


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