オトナの恋を教えてください
「つーかさ、誓えとかわけわかんね。いろはも嫌なら嫌ってちゃんと言えよ。あいつらが何か言う権利ないから」


「そうですね」


「あいつらみたいに弱虫は群れるんだ。そうしないといじめもできない。はっきり『嫌だ、やめて』って言えば結構効果あるぞ」


言いながら、自分の声にかすかな苛立ちを感じる。
俺は何にイライラしてるっていうんだ?


「いろはが言えないなら、俺が田亀たちに言うよ。元は俺が蒔いた種だし、きちんと刈り取って根っこも引き抜いてくる」


「いいんです、柏木さん」


「俺が言うのが一番確実だろ?キモイから裏でスケバンごっこすんなって」


「本当にやめてください!」


いろはが強い口調で言い切った。涙を拭き、立ち上がる。


「私なら大丈夫ですから、何もしなくていいんです。柏木さんがトラブルの中心に入っていくことないです」


「はぁ?また呼び出されるぞ。社内で嫌がらせもされるぞ。それでもいいのかよ」


俺の問いにいろはは平然と頷く。

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