オトナの恋を教えてください
場が温度を失い、凍りつく。
いろはの冷たい視線と言葉によって。


「母は方々に顔が利きますし、たとえ、皆さんが会社を辞めても、社会的に不自由が生じるくらいには……」


「もういいわよ!!」


花澤さんが怒鳴って話を打ち切った。

田亀も検見川も真っ青な顔をしている。

バカだな、あの時“コネ”だなんて言うから。
自分たちで張った罠にかかってちゃ、世話ないぞ。

いろはも逆手にとった脅し返しとは、気が利いてる。


「行こう」


花澤さんに促され、検見川が続く。
田亀が最後までいろはを睨んでいたけれど、最後は踵を返して前の二人を追っていった。
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