オトナの恋を教えてください
「いろは、シャワー浴びてきたら?」


あからさまにいろはがびくんと肩を揺らした。


「そうですね。お借りします」


「シャンプーとか、あるの使って」


「大丈夫です。旅行セットを持ってきました」


いろははにっこり笑い、ボストンバッグから小分けの袋に色々と移し、シャワールームに向かっていった。

余裕あるな、いろは。

いや、いろはのことだし、精一杯シミュレーションしてきた結果だろう。

慌てたり、逃げ出したりしないように、心づもりを決めてきたのだろう。


俺だけだ。

いまだに心が決まっていないのは。


これからいろはを抱く。

だけど、これで終わりにしたくない。

じゃあ、どうすればいい?

いっそ、いろはをさらってしまおうか。

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