オトナの恋を教えてください
これでいい。

俺の欲望のままにいろはを抱けばいい。
他の女と同じだ。
いろはだって俺の身体を望んでいる。
俺の心を明け渡す契約じゃないんだから、当然のことだ。

お互い様の一夜の情事じゃないか。

今夜を最大限に楽しんで、
明日には、他人に戻ろう。

いろはの吸い付くような肌に最初に歯をたてたのは俺。

彼女のあえかな嬌声を最初に聞いたのも俺。


それで満足しろ。


ああ、だけど狂いそうだ。

この愛しい女を他の男が抱くなんて。
そんなのは我慢ならない。

想像するだけで、腸が煮える。


気付くと俺は呆然と動きを止めていた。

愛撫の手も、キスの唇も、凍りついたように動かなくなってしまっていた。


「柏木さん」


いろはに声をかけられ、俺は意識を戻した。
彼女を押し倒した姿勢のまま、固まっていたのだ。
< 226 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop