オトナの恋を教えてください
俺はいろはの上から退くと、ベッドの端に戻り、どすんと腰掛けた。


「やっぱ……俺みたいなタラシに処女あげるのは、もったいなくなっちゃったか」


つぶやいた声が落胆まみれで、情けなくて笑えてきた。

俺が下心なんか持ったせいだ。
いろはは案外見透かしていたんじゃなかろうか。


「違います……」


背後で小さな声が聞こえ振り向く。
いろははベッドにひっくり返ったまま、ぶるぶる震えていた。

よく見ると、いろはは泣いていた。
嗚咽を押し殺しているから、いろはは震えているのだ。


「柏木さん……違います……私、あなたに抱いてほしい……だけど……ダメなんです」


「いろは」


「私、……好きになってしまったから……柏木さんのこと」


いろはが消え入りそうな声で言った。

俺を好きに?
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