オトナの恋を教えてください
「私は……私です」


「ああ、そうだ」


「私は自分の足で自分の人生を歩きたい!」


窓に足をかけた。
スカートが風にはためく。

雨どいをつかみ、ひさしに足をかけ、私は飛んだ。
柏木さんのもとへ、ジャンプした。

爪先が壁に届く。
そこからは柏木さんが私の腕をつかみ、身体を手繰り寄せてくれた。

彼を下敷きに、私は階段の踊り場へ転がり込んだ。


「柏木さん!」


身体を起こし、重たい身体を抱きとめてくれた柏木さんを見下ろすと、後頭部に手を添えられ顔を引き寄せられる。
重なる唇。
不意打ちのキスは驚いたけれど、安心と喜びで涙が溢れた。


「柏木さん、好きです」


「俺も。いろはが好きだ。惚れてなきゃ、家まで押しかけないっつうの」
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