オトナの恋を教えてください
「いやー、先週本当に忙しくて、ブラシ持つ暇もなくて……スマン」
柏木さんが気まずそうに言う。
私はうんうんと頷きながら、まったく納得していない顔で答える。
「わかってます。忙しいのは仕方なく、よもぎの惨事は柏木さんのせいではありません」
「いや、すんごい怒ってるよね。顔怖いし」
柏木さんからヘルプの電話がきたのは、一昨日の夜だ。
普段、柏木さんはよもぎへのブラッシングを欠かさない。
こまめにトリミングに行くし、出張などでペットホテルに預ける時も、オプションでブラッシングを頼むほどだ。
しかし、先週から忙しかった柏木さんは、つい1週間ほどよもぎのブラッシングをサボってしまった。
気付いた時には、よもぎの美しいロングコートは厚い下毛ごと大きな毛玉に覆われていた。
こうなると、ブラッシングは痛いのでよもぎは言うことを聞いてくれない。
ひとりでは手に負えなくなり、柏木さんは私の出動を要請したのだ。
こうして、私は何度目かの個人的な福岡出張にやってきている。
柏木さんが気まずそうに言う。
私はうんうんと頷きながら、まったく納得していない顔で答える。
「わかってます。忙しいのは仕方なく、よもぎの惨事は柏木さんのせいではありません」
「いや、すんごい怒ってるよね。顔怖いし」
柏木さんからヘルプの電話がきたのは、一昨日の夜だ。
普段、柏木さんはよもぎへのブラッシングを欠かさない。
こまめにトリミングに行くし、出張などでペットホテルに預ける時も、オプションでブラッシングを頼むほどだ。
しかし、先週から忙しかった柏木さんは、つい1週間ほどよもぎのブラッシングをサボってしまった。
気付いた時には、よもぎの美しいロングコートは厚い下毛ごと大きな毛玉に覆われていた。
こうなると、ブラッシングは痛いのでよもぎは言うことを聞いてくれない。
ひとりでは手に負えなくなり、柏木さんは私の出動を要請したのだ。
こうして、私は何度目かの個人的な福岡出張にやってきている。