オトナの恋を教えてください
本当は柏木さんのことも撫でたい。
私に触れたいと思ってくれている彼を愛しく思う。

だけど、私たちは案外真面目で、ふたりで決めたルールを破ることはできない。


“離れている間は、恋愛しない。”


こんなに好きなのにね。

私は言えない言葉を飲み込んだ。


「柏木さん、天神の何でしたっけ、あそこ」


「は?わかんない」


柏木さんが顔だけ起こす。
私の話し出しはいつも曖昧で、大抵うまく噛み合わない。
最近気付いたけれど、主語も述語も足りないみたい。


「えっと、ともかくビアガーデンがオープンしてるってネットのガイドで見ました。行きましょうよ」


「ビアガーデンかぁ。確かに猛烈に屋外で生ビールが飲みたい。大ジョッキで」


「私、小ジョッキくらいでなら飲めるようになったんです!お見せしますよ!」


「マジでか、それはお手並拝見せねば」
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