オトナの恋を教えてください
「すごく美味しいです。お母さんお手製のドレッシング、レシピ習いたいなぁ」
「たいしたものじゃないのよ。私がホースラディッシュが好きだから入れちゃうんだけど、辛くないかしら」
美野里と母は楽しそうに会話している。
会話の盛り上がり方は私より美野里の方が母と気が合いそうだ。
母と私だけだとどうしても空気が気詰まりになってしまう。
嫌いなんじゃない。母のことは大好き。
だけど、大人になってから、どこか噛み合わなさも覚えてきた。
これは女同士の相性みたいなものかもしれない。
本音を言えば、今だってこんなおしゃれな食卓じゃなくていい。
たとえば、小学生の頃、母が作ってくれたカレー。
どうせなら、こんな日は母のカレーが食べたい。
学童保育から帰ってくると、母がカレーを作っている。
まだ会社員だった母は、きっと慌てて帰ってきたのだろう。ぼさぼさの髪をひとつに結わえて、鍋を混ぜたり、付け合せのマカロニサラダを作ったり忙しそうに立ち働いていたっけ。
ごめんね、もうちょっとでできるからね。
そんな言葉を聞きながら、私は六畳間の真ん中で隣の小さなキッチンから香るカレーの匂いに安心した。
「たいしたものじゃないのよ。私がホースラディッシュが好きだから入れちゃうんだけど、辛くないかしら」
美野里と母は楽しそうに会話している。
会話の盛り上がり方は私より美野里の方が母と気が合いそうだ。
母と私だけだとどうしても空気が気詰まりになってしまう。
嫌いなんじゃない。母のことは大好き。
だけど、大人になってから、どこか噛み合わなさも覚えてきた。
これは女同士の相性みたいなものかもしれない。
本音を言えば、今だってこんなおしゃれな食卓じゃなくていい。
たとえば、小学生の頃、母が作ってくれたカレー。
どうせなら、こんな日は母のカレーが食べたい。
学童保育から帰ってくると、母がカレーを作っている。
まだ会社員だった母は、きっと慌てて帰ってきたのだろう。ぼさぼさの髪をひとつに結わえて、鍋を混ぜたり、付け合せのマカロニサラダを作ったり忙しそうに立ち働いていたっけ。
ごめんね、もうちょっとでできるからね。
そんな言葉を聞きながら、私は六畳間の真ん中で隣の小さなキッチンから香るカレーの匂いに安心した。